■小児期支援

Q1:「リハビリ職、学校在学中、支援」

オンライン講座に「子の30代までに自立の見通しを立てるには、”生活課題を明らかにする”、”依存先を増やす”」とありますが、リハビリ職として、児の将来を見据えて、学校在学中からこれらを意識して支援していけば良いでしょうか?

A1:「小児期から、親御さん、働きかける」
障害を持つ児(患児)およびご家族と比較的距離が近いリハビリ職が、小児期から児の将来像について親御さんに何度もお話していくことが、自立の見通しを立てる上での重要なkeyと考えています。障がい福祉サービスを利用する際に、支援区分認定での認定調査を行いますが、その調査項目(認定調査員マニュアル参照)が生活課題のチェックに役に立ちます。それらの項目は日常生活で必要な生活スキルを細かく設定しています。(学校卒業後では生活スキルを習得する場は少なくなるため)学校在学中から、将来に向けてそれらのスキルの獲得を目指すこと、親が児を抱え込まずに様々なネットワークを活用し子の支援者・サービス(依存先)を増やすこと、をリハビリ職が親御さんに働きかけていくことが、将来の児の自立の見通しを立てるおよび8050問題の解決の糸口になると考えています。[理学療法士 木原秀樹]

■障がい福祉サービス

Q1:「医療的ケア、介護負担、学校卒業後」

医療的ケアが必要な全介助の子を持つ親ですが、学校卒業後の日中活動の場として生活介護を探していますが、なかなか空きがありません。日々の親の介護負担も大きく、卒業後のことまで充分に手が回せない状況です。

A1:「生活介護、医療的ケア児等コーディネーター、共生型サービス」
全国的に重症心身障がいの方が学校卒業後に通所できる生活介護の施設が足りない状況です。増して医療的ケアが必要な方が通所できる施設は更に少ないです。たまたま空きが出来た枠に週1回通所できる、そのような通所先を複数掛け持ちするという状況が多いです。親の介護負担の軽減のために、障がい福祉サービスの利用(居宅介護(身体介護))の利用ができますが、親が面倒見れるのであればとサービス利用に否定的な行政も少なくありません。医療的ケア児につきましては、各県・市町村に配置されている”医療的ケア児等コーディネーター”に様々な相談をすることもできます。生活介護等の施設の不足は、介護保険で運営されている比較的人材やサービスが充実している通所介護等が、生活介護も運営する共生型サービス(介護保険サービス事業所が障がい福祉サービスを提供しやすくする仕組み)の拡充が解決策の一つになると考えています。[理学療法士 木原秀樹]

■金銭管理

Q1:「将来、お金、貯え」

障がいを持つ子の親ですが、子の将来のお金の貯えはあったほうが良いでしょうか?どのくらい貯えれば良いでしょうか?

A1:「障がい福祉サービス、自己負担、収入」
成人期以降の障がいを持つ方の多くは、非課税世帯として、障がい福祉サービスの利用に関する自己負担は0円です。例えばお子さんがグループホームに入居された場合、利用料(自己負担なし)や食費・光熱費(自費)などは、障害基礎年金2級での受給額内で収まる場合がほとんどです。就労(就労継続支援A・B型、障がい者雇用など)された場合は、余剰金が出ますので、その一部を貯蓄に回すこともできます。よって親御さんが、あえて子のために将来のお金を貯える必要はありませんが、衣服や娯楽や移動費などのほか、働けなくなった場合の収入減、居住環境の変更、予測できない支出などもあります。子の老後のために必要な金額は300万円と試算されている報告(アンサンブル会)もありますので参考にされても良いと思います。[理学療法士 木原秀樹]
Q2:「施設入所、手続き、費用」

“施設入所支援”を利用するための手続きと入所後に必要な費用について教えてください。

A2:「障害基礎年金、区分認定、年金残金」
“施設入所支援”は、他の障がい福祉サービスと同様に各市町村の福祉課にサービス利用の申請し、障がい支援区分認定を受けます。その後、各施設へ入所の申し込みをします(申し込み=入所希望の登録:順番待ち)。費用は障害基礎年金等の収入で、すべて賄える制度になっています。施設利用の自己負担はないことがほとんどです(非課税世帯の場合)。食費・光熱費等は年金から支払い、手元に25,000円以上残るように国から施設に補助金が支給されます。日用品・衣類・趣味(余暇)・成年後見人費用等は年金残金または貯金などから負担します。貯金がなくても、お金が足りない場合、生活保護の対象とならない額まで自己負担額が下がりますので、必ずしも子のために将来のお金を貯える必要はありません。[理学療法士 木原秀樹]